盆提灯
この季節になると毎年、“盆提灯”についてのご質問が増えます。築地本願寺では切子(亀甲)灯籠を飾ります。本来、浄土真宗本願寺派では提灯をお飾りしませんが、地域によっては親戚が初盆の家庭に提灯を贈る習慣もありますので、お気持ちを有り難く受け止め、飾らせていただきましょう。
大切なことは、一年のこの時期にだけ、提灯の明かりを頼りに還ってくる仏さまでは無いということです。日頃から迷い・苦しみの渦中にあるのは、今を生きる私たちです。
その私を慈愛に満ちた光で照らし続けてくださる仏さまのお心を、提灯の燈明になぞらえ、丁寧に飾らせていただくことは大切なことです。(無理に求められる必要はありません)
先にお浄土に参られた方々はさまざまなご縁を通して私たちを仏前に誘いざなってくださっています。ですから、亡くなった方々の罪障を除き、冥福を祈るために行う「追善供養」は必要ありませんし、精霊棚・施餓鬼棚もいりません。共々にお念仏のみ教えをいただき、ありがとうと申し上げるご縁といたしましょう。
