お線香のお供え、どのようにする?

 みなさんはお仏壇にお線香をお供えになる時、どのようになさっているでしょう?

多くの仏教宗派では、灰が入った香炉に一本か二本の線香に火をつけて「立てる」ようにくべます。

浄土真宗本願寺派では香炉の大きさにあわせ、2~3本に折って、寝かせてくべるのが正式な作法となっています。

incense sticks fire
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それ以前は、常香盤(じょうこうばん)とよばれる仏具を用い、写真のようにお香を渦状に敷き詰めて、香りを絶やさぬよう工夫していました。その名残で本願寺派では現在もお香を立てず、寝かせています。

常香盤(じょうこうばん)とよばれる仏具

以前あるお葬儀で、司会の方が「仏さまは香りを食べられるのでお焼香します」とおっしゃっていましたが、間違いです。仏説阿弥陀経には浄土のすがたが述べられています。そこには「眩い光にあふれ、花咲き鳥うたい、すばらしい香りが漂う」とあります。その様子をあらわすためにろうそくを灯し、お花を供え、お香をもって香りをお供えするのです。

大切な方が往かれたお浄土。そして私も必ず参らせていただくお浄土。その世界を忘れぬように、私たちは日々、お仏壇のお荘厳(しょうごん)を整えさせていただくのです。